吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

砂上の法廷

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 キアヌ・リーブズ、久しぶりにスマートでかっこいい役を演じております。今回は辣腕弁護士。地味な法廷劇で、あまり世評も芳しくなくひっそりと上映されて割とすぐに終わってしまったという印象があった作品だが、なかなか映画らしい演出がよかった。
 さてストーリーは。キアヌ・リーブズの知人の弁護士が殺害された。犯人として逮捕され裁判にかけられるのは被害者の17歳の息子。被害者の妻つまり被告の母の依頼により、リーブズ弁護士は17歳の少年を無罪にしようとするのだが、本人が一切供述せず、裁判は暗礁に乗り上げる。
 という話は二転三転し、スピーディな展開もあってぐっとつかまれていく。「すべての人間は嘘をつく」というテーゼが最後まで生きていて、なかなか面白い。証人が法廷で語る「真実」が本人の記憶とともにフラッシュバックで蘇ってくるのだが、その場面自体が真実なのかどうか観客にもわからない。何が真実なのか。法廷で求められているのは真実なのかどうか。「弁護士の仕事は真実を明らかにすることではない。依頼人の利益になればそれでいい」と、キアヌくん弁護士は言う。このセリフ、「三度目の殺人」でも福山雅治弁護士が言ってたよね、確か。イケメンは同じことを言うのかぁ。説得力あるなぁ(違)。
 被害者の妻の顔に見覚えがあって、誰だろう誰だろうと思い続けながら映画を観ていて、途中で「ひょっとしてレニ・ゼルウィガー?」と疑い始め、終わってからネットで確認して唖然。なんという老け方! 女優としての華がほとんどない、どこにでもいるふつうの疲れたおばちゃんと化している。
 まあそれはともかく、どんでん返しにはあっと驚き、なかなか先の読めないサスペンスとして楽しめた。裁判なんてそんなもの、というニヒルな描写には皮肉を感じた。(U-NEXT)

THE WHOLE TRUTH
94分、アメリカ、2016
監督:コートニー・ハント、音楽:エフゲニー・ガルペリン、サーシャ・ガルペリン
出演:キアヌ・リーヴスレニー・ゼルウィガー、ググ・ンバータ=ロー、ガブリエル・バッソ、ジム・ベルーシ