吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

新感染 ファイナル・エクスプレス

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 数あるゾンビものの中でも出色の出来。走る列車の中でゾンビと闘うという究極のサバイバルぶりがサスペンスを盛り上げる。主人公はファイナンシャル・プランナーのソグ。小学生の娘を別居中の妻のもとに送り届けるために、ソウルから釜山行きの特急列車に乗った。この映画の前日譚が「ソウル・ステーション」というアニメで、要するに原因不明の感染が広がってゾンビと化した人間が列車内に増殖し、乗客を襲いにワラワラとあふれ出てくるという恐怖映画。しかしそのゾンビのわらわらぶりには思わず笑ってしまう。わたしは「ワールドウォーZ」を思い出してしまったわ。
 この主人公ソグが「パパは自分のことしか考えていない」と非難されるほどの自己中心的な人間だということがミソで、しかし自己中であってもわが子(だけ)は可愛いから、必死で守ろうとする。この娘を演じた子役が実にうまい。ちょっとすねた感じの陰気臭い目元もよい。この子は整形しておらず素の個性が見えていて印象がいい。同じく、高校生役の子役も素直な顔をしているのが好感度高い。

 して、絶体絶命のピンチに会うと、人間性がわかりやすく表出する。下品そうに見えたオヤジが実はとんでもなく強いおじさんでヒーローぶりを見せるとか、紳士が我利しか眼中にない最低人間だったり、高校生は意外に頑張ったり、さまざまにドラマが生まれる。ゾンビの短所を見つけてなんとか逃げおおせようと作戦を練る乗客たちの知恵と団結も素晴らしく、しまいには感涙ものの家族愛も描かれる。次から次へと繰り広げられる山場も緩急あって大変よろしい。

 で、結局最後は誰と誰が助かったのだったっけ? 1週間後にはもう忘れてしまうありさま。ビデオを見直してみたら、最後はえらく感動的である。しかも続編ができるのではないかと思われるような終わり方。。。。(レンタルDVD) 

118分、韓国、2016

監督: ヨン・サンホ 、脚本: パク・ジュスク、撮影: イ・ヒョンドク、音楽: チャン・ヨンギュ

出演:  コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク、キム・スアン