吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

キング・アーサー

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 有名な「アーサー王と円卓の騎士」の伝説もガイ・リッチーにかかるとこんなにスタイリッシュでスピーディな面白い映画になるのね。これは驚きです。展開が速すぎてついていけない点もあるけれど、豪華な役者陣といい、一見の価値あり。なんといってもわれらがジュード・ロウが暴君の悪役で登場するんですから。エリック・バナは相変わらずかっこいいし、びっくりしたことに、デヴィッド・ベッカムが出演している! ベッカム相変わらずかっこいい。

 そして物語は魔術あり、怪獣のように巨大なマンモス像あり、いきなりの戦闘シーンの大迫力といい、一大アドベンチャー戦記になっている。父王をその弟に殺された幼いアーサーは貧民窟の売春宿で育つ。自らの出自を知らなかった彼は、ある日、「この剣を抜いた者が正当な王座に就く」と記されたエクカリバーという剣を見事、石の台座から引き抜いたことから、父の敵を知ることとなる。それは彼の叔父であり暴君のヴォーティガンだった。ジュード・ロウがこの暴君を演じているのだが、ますます頭髪がけったいなことになってきたジュード・ロウ、美しき暴君として権力欲にまみれ、愛する妻を手にかける。兄を殺し、妻を殺した彼に安らぎの日々は来ない。

 アーサーは自らに忠実な部下を従え、ヴォーティガンとの戦いに立つ。

 まあとにかくアーサーは強い強い強い。ヴォーティガンは悪魔と取引しているから、窮地に立つと次々に犠牲を差し出す。細かいことはともかく、城が破壊される壮大なアクション、魔物たち、といったファンタジーを楽しみたい。何よりも、男前がぞろぞろと出てくるのだから、もう言うことなし。

 これを見終わった後は、改めてイングランドの歴史やアーサー王伝説のことを知りたくなった。早速Wikipediaで調べてみたけれど、わたしがイギリスの古代史・中世史をすっかり忘れていることに改めて気づいた。勉強しなおしやねー。(unext配信)

 KING ARTHUR: LEGEND OF THE SWORD

126分、イギリス/オーストラリア/アメリカ、2017

監督:ガイ・リッチー 、製作:アキヴァ・ゴールズマンほか、脚本:ジョビー・ハロルド、ガイ・リッチー、ライオネル・ウィグラム、撮影:ジョン・マシソン、音楽:ダニエル・ペンバートン

出演:チャーリー・ハナムジュード・ロウ、アストリッド・ベルジュ=フリスベ、エリック・バナデヴィッド・ベッカム