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吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

インターステラー

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 昨年末、劇場で見た映画。昨年のマイ・ベスト10入り作品。

 前半は少々だるくて途中で寝てしまったけれど、後半、宇宙に飛び出してからは面白くてグイグイと惹かれていった。最後は圧巻の映像が。ここにクリストファー・ノーランの世界観が溢れている。


 舞台は近未来のアメリカ。なぜか地球は環境異変が起きて人類は食料不足により絶滅の危機に瀕している。もう地球には住めない。移住の地を探して宇宙へと旅立つ人々の物語。旅立つ父クーパーはまだ幼い娘を置いて行く。「必ず帰ってくるから」と涙とともに娘を抱きしめる。「うそつき、嘘つき、きっとパパは帰ってこないわ!」
 元宇宙飛行士だったクーパーは今や農家の主人である。農業こそが人類が生き延びることのできる道なのだ。しかし、それさえももう衰退の一途をたどっている。そんなとき、既に解散したと思われていたNASAは密かに惑星移住計画を実行に移さんとしていた。腕のいいベテラン飛行士だったクーパーに白羽の矢が立つ。彼がNASAへと導かれていく理由は、どこからともなくやってきた「亡霊」の指示ゆえである。クーパーの娘の部屋に不思議な現象が起きて、砂が暗号を床に描き、宇宙への地図を指し示しているのだ。

 選ばれた人々は地球型惑星を探すために、土星の近くにあるワームホールを通り抜ける。ここを通れば光速を超えて宇宙に旅することが可能なのだ。そのような信号を宇宙のどこかから送ってきてくれている「親切な宇宙人」がいることが判明しているのだから。

 いよいよ宇宙に飛び立ってからは圧巻の映像の連続である。宇宙では重力によって時間が伸びてしまう。彼らがほんの数日を宇宙で過ごすうちに、地球では何年もの時間が経ってしまっているのだ。地球に残してきた人々との時間の隔たりが悲しく切ない。

 この映画を見ながら、ちょうど1年まえは「ゼロ・グラビティ」を見ていたことを思い出す。「ゼロ・グラビティ」も素晴らしかったし、本作も美しい星星の光景をこんなにも堪能できて、しかも複雑な重力と時間の理論を駆使した作品の不思議さはSF好きにはたまらない。タイムパラドクスの理屈が合わないところなんか気にしなくていい。ロボットの滑稽な造形を楽しみ、遠い惑星の荒涼たる死の風景と大津波に圧倒され、愛と犠牲の美しさに泣き、宇宙萌えすればいい。

 アン・ハサウェイ、初めて「良い」と思った。彼女が抑えた演技を見せていたのが好感度高し。「10年も会っていない人を愛し続けているの」と涙ぐむ場面にホロリ。そうよね、10年間逢わなくたって愛が消えたりするもんですか。惑星に一人残された彼女の姿に胸が痛んだ。そうだ、勇者よ行け! 美しく聡明な勇気ある女性を救いに行け!
 ああ、ラストはロマンスであったか。ノーラン監督に脱帽。

INTERSTELLAR
169分、アメリカ、2014

製作・監督・脚本: クリストファー・ノーラン、脚本: ジョナサン・ノーラン、音楽: ハンス・ジマー
出演: マシュー・マコノヒーアン・ハサウェイジェシカ・チャステイン、エレン・バースティン、マイケル・ケイン