吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

GODZILLA ゴジラ 

  日本版の元祖「ゴジラ」に比べて、こちらのゴジラは造形はまるでトカゲ。映画のトーンは完全にコメディ。あの深遠な政治的メッセージはまったくない。そもそもゴジラが発現した原因はフランスの核実験、という「悪いことはひとのせい」にしたがる大国意識むき出しの設定には苦笑を禁じ得ない。その代わり、後始末はちゃんとフランスにやってもらうからね、というあたりも笑える。


 日本版ゴジラの動きに慣れた観客にはハリウッド版ゴジラの動きが速すぎて目がついていかないが、空中戦の迫力はさすが製作費がかかっているだけのことはある。


 しかし、登場人物がいずれもオバカばかりで魅力に乏しく、中身のまるでない娯楽作として徹底しているところは大人の鑑賞に堪えない。逆に言えば、少々お屠蘇を吞みすぎて酔っ払って観ていてもなんら支障のない映画ともいえるわけで。

GODZILLA

分、1998

監督: ローランド・エメリッヒ、製作: ディーン・デヴリン、製作総指揮: ローランド・エメリッヒ、ウテ・エメリッヒ、ウィリアム・フェイ、脚本: ディーン・デヴリン、ローランド・エメリッヒ、音楽: デヴィッド・アーノルド

出演: マシュー・ブロデリックジャン・レノハンク・アザリア、マリア・ピティロ