吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

裏切りのサーカス

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  時は東西冷戦下、イギリスのスパイ機関「サーカス」は、ソ連の二重スパイをあぶり出すべくさまざまな罠を仕掛けていた。「サーカス」はIM6のことだろう。ソ連諜報部も登場するが、いちおうすべて仮名になっている。組織の幹部は、内部に潜むソ連のスパイを見つけるために、調査を開始する。容疑者は4名。「もぐら」と呼ぶ二重スパイを罠にはめていく作戦である。

 

 DVDを1時間ほど見たところで「これは1回見ただけでは理解できない」と観念してもう一度最初から見直すことに。で、二回目も30分ほど見たところでタイムアウトとなったので、次の日に続きを見ようとしたら長男Y太郎が「最初から一緒に見よう」というのでまたまた最初から見直し。三度目の正直でようやく全部見ることができた。でも、結局最後はよくわからなくて、Yに解説を頼む有り様。いやー、もうわたしの老化した頭脳ではこの映画は難しすぎて理解できません。さすが若者は違う、Yは一回見ただけでちゃんと筋を理解していた。とはいえ、そんなYも人物の顔と名前を一致させるのに苦労していた。名前が覚えられないから勝手に「真ん中ハゲ」とか「チビ」とか名前をつけて記憶しようとしていたのであった。 

 ラストも、なんで「もぐら」が彼だとわかったのか、よく理解できなかったので、またまた3回も見直す羽目に。とことん難しい映画である。こんなの映画館で一度見ただけで全部理解できた人がいるのだろうか。こんなに観客に困難を強いる映画は娯楽としてどうよ、と思うのだが、深い陰影のある撮影は素晴らしいし、エレベーターに乗せられた文書が行きかう様は構図にも凝っていて、この作品の肝ともいえる暗示を与えてくれるし、役者はいずれも絶品の演技だし、とにかく震えがくるほど素晴らしいできばえ。 

 地味で静かな展開は緊迫感に満ちて、画面から目を離せなくなり、最後の最後まで観客は騙されているのではないかと疑いの目で見てしまう、そんな映画なのだ。

 

 ソ連国歌を久しぶりに聞いて身震いするほど感動した。ああ、なんと素晴しいあの男声合唱。一度聞いただけで歌えてしまうわかりやすいメロディー。レーニンの祖国は素晴しい(拍手)。ソ連国歌(現在のロシア国歌とメロディは同じ)がセリーヌ・ディオンの”To Love You More ”に似ているような気がするのはわたしだけでしょうか。この映画を見たあと暫くはYOUTUBEでロシア国歌を繰り返し聞いていたものであります。(レンタルDVD)

TINKER TAILOR SOLDIER SPY       

128分、イギリス/フランス/ドイツ、2011      

監督: トーマス・アルフレッドソン、原作: ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 、脚本: ブリジット・オコナーピーター・ストローハン、音楽: アルベルト・イグレシアス      

出演 ゲイリー・オールドマンコリン・ファーストム・ハーディトビー・ジョーンズマーク・ストロング 、ベネディクト・カンバーバッチ