吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー

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 劇場未公開シリーズ第二弾。まあ、これは劇場未公開もやむをえないでしょう。これでは受けないわ。何がいいたいのかさっぱりわからない映画。なんでこんな作品を作ったんだろう。でも変なんだけど、つい最後まで観てしまいました。なんでだろう。わからん。


 一緒に観ていた長男Yがさかんに「これ、ウェス・アンダーソン監督か」と何度も訊くのがうるさかった。Yはどうしても監督が誰か気になって仕方なかったみたいで、DVDを観ている途中でIphonで検索していた。なるほどウェス・アンダーソンが作りそうなオフビート感覚にあふれたコメディだ。

 試験管ベビーの天才少年が、自分の父親探しを始めると、腹違いの姉が見つかる。その姉は中学校で「レズビアン」と呼ばれていじめられている。少年の母はテンションが高くて妙な女。少年の父は精神不安定な大学教授。家族の成員がみな個性がとんがりすぎていて、いくらコメディでもそれでは収拾がつかないだろうという設定。

 最初から家族はばらばらで、そもそも家族の体をなしていないのだ。だからこの映画は「まったく新しい形の家族」の絆を描こうとしたのかもしれない。が、ひょっとしたらそんなことは単なるダシであって、場面ごとに笑いをとれたらそれでいいと思ったのかもしれない。確かに笑える。ちょっと引きつるけど。

 変な映画を見たい人にはお奨めかもしれない。

JESUS HENRY CHRIST
95分、アメリカ、2011

監督: デニス・リー、製作: フィリップ・ローズ ほか
出演: マイケル・シーントニ・コレット、ジェイソン・スペヴァック、サマンサ・ワインスタイン、フランク・ムーア