吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

毎日新聞大阪本社訪問記

 一ヶ月ほど前のことだが、たまたま毎日新聞大阪本社を訪問する機会を得た。わたしにとって大毎といえば大毎地下劇場。もう40年近くも前によく通った懐かしい場所だ。あの頃は大毎が今の堂島アバンザに位置しており、その頃既に古い建物だったように思う。この大毎地下劇場は1993年3月末をもって閉館したようだが、わたしがよく通っていたのは1970年代の中学高校生の頃。3本立ての映画を楽しんだものだ。この頃は戎橋劇場とともに貧乏学生にはありがたい映画館だった。ロードショーが終わってから回ってくる傷んだフィルムを我慢して見ている、二番館ならではの味わいがあった。
 懐かしくなって大毎地下劇場の情報を得ようとググってみたら、こんな記事を見つけた。
http://www.alles.or.jp/~vzv02120/map/dai/col2.html

 大毎地下には痴漢が跋扈していた、というくだり。確かにあの頃は映画館によく痴漢が出た。今では考えられないことだが、ガラ空きの映画館で痴漢に遭って逃げたことを突然思い出したり。

 閑話休題。で、大毎本社は堂島の西北、大阪市北区梅田3-4-5に移転した。移転したばかりの新しいビルだと思い込んでいたが、移転から既に10年以上が経過している。月日の経つのは早いものだ。
 今回、大学の先輩であるMさんのご案内で大阪本社内を見学させてもらえる僥倖に出会えたわけで、その日はたまたま土曜日だったので社内は出勤している人が少なかった。

 大毎大阪本社ビルは新聞社屋と複合ビルとが隣接している。複合商業ビルは「毎日インテシオ」といって、レストラン・書店・コンビニ・オフィスなどが入居している。新聞社屋は一階がギャラリーになっていて、興味をそそられた。二階には印刷の歴史がわかるミニ展示コーナーがあり、床にさりげなく印刷原版が置いてあったりするので盗まれないか心配になったが、Mさんに「持ってご覧」と言われて腰を抜かした。とてもじゃないけれど一ミリも持ち上がらない重さだ。この重さなら万引き犯も出まい。昔は活字を一つずつ拾ったその工程がわかる展示を見て、アニメ「銀河鉄道の夜」の場面を突然思い出したりした。
 階段の踊り場のような狭い展示コーナーになぜかストレッチ体操している女性が二人居てなにやら場違いな感じもしたが、いったいあの人たちってあそこで何をしていたのだろう?

 その後、編集センターに案内してもらって、ちょうど夕刊を組んでいるところをPC画面で見せてもらい、「ほお、今日の夕刊の見出しはこれか」と人より早く夕刊の内容がわかってなんだか得した気分。見出しをどのように配置していくのかがよくわかって興味深い。今は編集用ソフトが充実しているから簡単に記事の差し替えができるようだ。帰宅後に我が家に配られた夕刊を見て、「あ、お昼に見た記事だ」と嬉しくなった。われながら単純。

 社内を簡単に見せてもらって最後に入ったのは地下の印刷工場。安全帽ヘルメットを被って入った工場は、扉を開ける前から異臭がしていたが、工場内に一歩入ると強烈なインク臭に頭が痛くなる思いだった。つい最近話題になった、校正印刷工場での胆管癌多発事件を思い出し、こんな強烈な臭いのするところに毎日毎日いたらたまらないだろうなぁと思う。もちろん大会社の工場なのだから換気を含めて労働安全には万全を期しているには違いないが。
 ここで巨大な輪転機やベルトコンベアーを見て感動したが、あいにく昼休み時間だったので機械が動いているところは見られなかった。もし実際に動いていたらものすごい騒音で話し声はまったく聞こえないだろうとのことだったので、それはそれでよかったかも。

 大急ぎで社内を駆け巡った後は中庭に出た。都会の中のオアシスと表現するにぴったりの、ビルの壁に囲まれながらも花が美しく緑が目に優しい場所だ。ベンチもあってなんとなくいい雰囲気。で、そういう雰囲気のところはやっぱりカップルが多発するそうで、二人きりだと思ってムードにひたっている男女をビルの遥か上階から眺めるのが楽しいとか。「もうちょっとや、そこ、それ、頑張れ。もっと近づけ、腕を回せ」とか応援しているなどという光景は微笑ましい。
 この中庭にはなぜかお稲荷さんがあって、写真のような赤い鳥居が鎮座していた。賽銭箱もあったのでわずかだけれど投げ銭。ここは地下鉄西梅田駅から地下道を通って直結している場所なので、これからもちょくちょく利用したいと思う。意外にいい感じのレストランが何軒かあるようで、わたしにとっては穴場的な場所だ。

 案内してくださったMさん、ありがとうございました。

 なお、毎日新聞大阪本社では小学生から大人まで見学を受け入れているので、ぜひどうぞ。記念品ももらえるようです。
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