吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

アメイジング・スパイダーマン(3D)

 本作は前シリーズのときより丁寧な作り。雰囲気もぐっと落ち着いている。主人公ピーターがスパイダーマンになる過程を丁寧に描いてある点に好感が持てる。

 しかし、あまり3Dの実感がない。わたしにとって「飛び出す映像」というのはアイマックスシアターだったりするので、あのイメージがいつまでも離れない。最近の3Dは飛び出し感に乏しいため、面白くない。もっとも、2時間以上の映画でやたらいろんなものが飛び出して来られたら疲れて見ていられないからしょうがないのかも。わざわざ3D上映する意味が不明だし、料金が高くなる分わたしたちには痛いので、次回作からは3Dで見るのは止めよう。

 今回のスパイダーマンは恋人にすぐ正体を明らかにしてしまうし、なんのためにマスクを被っているのかと思わせることがしばしば起きる。サム・ライミ版のピーターは落ちこぼれだったが、今度のピーターは学業優秀である。恋人も美人で頭がいい。マーク・ウェブ監督の『(500)日のサマー』は斬新なラブストーリーでわたしのお気に入り作であり、今度のスパイダーマンも前半、落ち着きがあってとてもいい感じだ。これは主役がアンドリュー・ガーフィールドというナイーブな雰囲気を漂わせる青年に交代した効果もあると思う。 

 しかし後半、いよいよスパイダーマンのアクションが全開し、トカゲ男が暴れ始めると、やっぱり怪獣映画になってしまうのだな。こうなると大人には退屈。というわけで、やっぱり後半は寝てました。

THE AMAZING SPIDER-MAN
136分、アメリカ、2012
監督: マーク・ウェブ、製作: ローラ・ジスキンほか、製作総指揮: スタン・リーほか、原作: スタン・リー、スティーヴ・ディッコ、原案: ジェームズ・ヴァンダービルト、脚本: ジェームズ・ヴァンダービルト、アルヴィン・サージェント、スティーヴ・クローヴス、音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: アンドリュー・ガーフィールドエマ・ストーンリス・エヴァンスデニス・リアリーキャンベル・スコットマーティン・シーンサリー・フィールド