吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

バイオハザードIV アフターライフ

 3Dで鑑賞。ミラ・ジョヴォヴィッチのおばさん化が進んでいる。戦闘服よりも割烹着を着せたほうが似合っているのではないか? さすがに体型はスリムだが、顔がいけません、顔と髪型が。


 この映画、ストーリーの辻褄は?とか、設定が、とか、世界観が、とか余計なことは考えてはいけません。なんでここであんたが出てくるの、とか、そんな都合のいい話があるわけ、とか、突然「わたしは元水泳選手よ」なんて「ポセイドン・アドベンチャー」か、とか、そういうツッコミを入れてはいけません。面白ければなんでもいい。「マトリックス」の10番煎じでもジョン・ウーも真っ青のスローモーション連発でもなんでも、面白ければそれでいい。

 今回、あまりにも多用されたスローモーションが、実に美しい。その理由は、「ファントム・カメラ」にある。通常は1秒間に24コマしか撮影できないのに、ファントム・カメラだと1000コマも撮れるという。驚きの解像度である。そんなすごいカメラで撮ったなら、スローモーションだらけの映画にしたくなるのもやむなしか。


 本作は元々日本のゲームが原作なので、日本へオマージュを捧げて今回の映画では東京からゾンビ感染が始まる。渋谷のスクランブル交差点で中島美嘉が通行人に食いつくシーンはなかなか強烈な印象。感染者がゾンビになるウィルスを使って実験を繰り返す悪魔企業アンブレラ社の東京支社がその渋谷の地下深くにある。ここは私兵というか私軍隊まで持っているすごい企業で、その社長(?)が若くていかつくてかなり怖い。

 ゾンビ映画だったはずのバイオハザードも4作目までくるともはやホラーを通り越して、SFアクション映画に変化している。主人公で特殊能力を持つアリスが二丁拳銃や二丁包丁を振り回し、気持ちの良いほどすさまじくゾンビを殺戮する。これだけサクサク殺せばストレス発散に非常に役立つのではなかろうか。暴力的な映画が青少年の暴力志向を刺激するという論があるが、この映画を見ているとむしろ逆だと感じる。現実の代償行為としてこういう映画は機能するのではないか? というのも、リアリティよりも様式美が優先されているからおよそ現実味が感じられないし、こういうアクションはそもそも真似すらできない。

 今回の3Dは画面の奥行きを堪能できたし、カメラが上下に動いて高さを実感させてダイナミックだ。マサカリが観客に向かって飛んでくる場面なんてすごい迫力。エンタメ作としてたいへんよろしいのでは。

                                                • -

RESIDENT EVIL: AFTERLIFE
97分、アメリカ、2010
監督・脚本: ポール・W・S・アンダーソン、製作: ジェレミー・ボルトほか、音楽: トムアンドアンディ
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチアリ・ラーター、キム・コーツ、ショーン・ロバーツ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、スペンサー・ロック、ボリス・コジョー、ウェントワース・ミラー