吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

スウィング・キッズ

 クリスチャン・ベイル、若い可愛い!

 これは期待したよりもかなりいい作品だ。ただし、ドイツが舞台というのにまったくヨーロッパの雰囲気がしないのはいただけない。台詞が英語だからというだけではなく、音楽がジャズだからということもあるだろう。役者たちをドイツ人らしく見せようとメイクアップしているのはわかるが、やはりどうしてもドイツ人には見えないところが苦しい。

 
 同じく、ダンスクラブでの若者達の踊りが素晴らしすぎて、素人とは思えない(笑)。ほとんど「ウェストサイド物語」のノリか、ミュージカルのような素晴らしい群舞シーだ。

 
 本作は、ナチスから退廃音楽として排斥されたジャズに心酔する若者達の悲喜こもごもと彼らの悲劇を描いた作品。ベニー・グッドマンはユダヤ人だったのか。知らないことも多くて、改めて音楽界に占めるマイノリティの才能を知る。

 
 あの時代、ドイツで自分の趣味を貫くことすら命がけだったのだ。そのことのつらさと厳しさを改めて知る。わたしたちはなんという自由な世界に生きているだろう? そのことのありがたみを痛感すると同時に、そしてそのことを前向きに受け止め考えようという契機を持っているのだろうか?という疑問を抱く。(レンタルDVD)

SWING KIDS
113分、アメリカ、1993
監督: トーマス・カーター、製作: マーク・ゴードン、ジョン・バード・マヌリス、脚本: ジョナサン・マーク・フェルドマン、音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ロバート・ショーン・レナードクリスチャン・ベイル、フランク・ホエーリー、バーバラ・ハーシー