ここには資金集めのための部局があって、日夜知恵を絞っているという。ふつうの図書館員にはない才能が求められる。館長は社交家で資金集めの天才だそうだ。
この図書館のファンはポンと18億円を寄付するし、理事は9億円を自ら寄付している。寄付文化が日本と全く違う。ちなみに日本企業相手にプロモーションを行ったが、まったく反応が悪いため、「プロモーションのための投資に見合わない」として、日本企業への寄付の申し込みは止めたそうだ。
うちもここに倣って、高額寄付者の名前をプレートに刻んで掲示しようかなぁ。
しかしこの図書館にも不況の波が押し寄せ、先頃、NY市が3, 680万ドルの予算削減を要求したという。これは1970年代、ニューヨーク公共図書館が破たんの危機にあったときよりもさらに過酷な削減額となる。もしこのまま資金が回復されなければ、10館が閉鎖、開館日が週4日に削減、総労働力の36%に当たる736名のスタッフの解雇、といった結果に繋がってしまうということだ(参照:http://current.ndl.go.jp/node/16199)
<書誌情報>
未来をつくる図書館 : ニューヨークからの報告 / 菅谷明子著. 岩波書店, 2003. (岩波新書 ; 新赤版 837)