吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ダイアナの選択

 罪と罰、罪と赦し、罪と犠牲。「究極の選択」に迫られたとき、人は何を選ぶのか? 極限的な倫理上の問いを措定した物語。


 とある田舎の高校で起きた、生徒による銃乱射事件。その場に居合わせたダイアナと親友のマーリーンは、「おまえ達二人のうち、どちらかを殺す」と言われた。その事件から15年が経ち、今日は追悼の記念日。ダイアナはトラウマに取り憑かれる15年を過ごしてきたのだった。時として罪の意識に苛まれるダイアナは、「あの日」のことを否応なく思い出していた…


 エヴァン・レイチェル・ウッド、むちゃくちゃ可愛いし、演技もうまい。彼女に目が釘付けになった。スーザン・サランドンの娘、エヴァ・アムリもさすがに親の血を引いたのか、演技がうまい。


 「衝撃のラスト」の解釈については監督が劇場用パンフレットにインタビューに答える形で書いているし、公式サイトにも言及があるようだが、わたしはその監督の「正解」について納得していない。このラストにはふつうに考えて二通りの解釈が成り立つ。一つは監督の言うとおり。もう一つは、これはわたしの解釈だけれど、まったく逆の読み。わたしの読みにしたほうが、主人公の深い苦悩が心を打つのではないか?


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THE LIFE BEFORE HER EYES
90分、アメリカ、2008年
製作・監督: ヴァディム・パールマン、製作総指揮: トッド・ワグナーほか、原作: ローラ・カジシュキー『春に葬られた光』、脚本: エミール・スターン、音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ユマ・サーマンエヴァン・レイチェル・ウッド、エヴァ・アムリ、オスカー・アイザック